潮流
ただのみきや
夜明けの明けの
ほのあおい闇と光の均衡に
無垢なクラゲが部屋を舞う
流れるままに漂って
夢から溢れたクラゲが舞う
夜明けの明けの
ほのあおい夢とうつつの端境に
大きなクラゲが天井を過ぎる
照明に触手が絡まって
ぎこちなさげにクラゲが過ぎる
夜明けの明けの
うみと融け合う部屋の中
クラゲと一緒に泳いでいる
何故かは気にはならないが
何とかしないといけないような
夜明けの明けの
夢の入り口が萎むころ
どうにかクラゲを捕まえて
連れて行こうとしたその時に
刺されて 痺れて 金縛り
夜明けの明けの
浅き眠りの金縛り
ああたまらない心地よさ
潮に流され誰かの夢にうちあげられ
ヤシの実のように 波に洗われ