夢灯
もずず


深夜

招き猫は歌い出し
庭のフクロウは文字を見つけた

生まれたばかりの星たちは
少しずつ優しさを放ち出す

月はまだ昼寝をしていて
雲は風に逆らい始める

手から染み出る感情を
僕は今日も持て余す

空は今夜も降らなかった

手を延ばして灯りを消した

今日を終える命のために








自由詩 夢灯 Copyright もずず 2012-03-22 22:42:47
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