たまっころ
Ohatu


 星がいくつも連なり
 風がごうと、びうと、あさまらに泣き
 有限に、無限に
 人が愚かであることを証明し続けるのだ
 
 唄わない、ただ赤い目の澄んだ奥で
 たゆらう心を舐めくだす
 羞恥の先っぽににじゅむ汗のたまっころ
 氷の滑り落ちる、乾いた音を待っている

 幸い、まだ動く四肢をねうと伸ばし、首に絡め
 ああ、ああ、とこだせば、おう、おう、とさがぶる
 赤いたまも透明のそれも平たんではいられないものだから
 先を急いでくぼみを目指す、奥まで、もっと奥、ひゅだの奥のぬみりまで
 最後までと、時計を見れば、はい、そこまでと戸が開く

 いそいそと愚か者が、誰よりも証明し、元気に
 星を蹴飛ばし、風をまたぎ
 クラクションに轢かれ、つぶされ、体積は保存されながら
 誰が泣くのかと
 隠しカメラになった気で、きょろきょろと赤いものを動かす

 きょろきょろと、何度も自動車が

 飯のために働く若者達をコンベヤの半分の早さで運んでゆく









自由詩 たまっころ Copyright Ohatu 2012-03-21 14:03:40
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