望遠
つむ

波うちぎわをみていた
よせてかえす、
よせてはかえす波のふち
足をあらい
かぼそい時を分断し
つまらぬ生きものを
生かしていた

視線をあげて
ふと見た
あかるくあおい
水平線

つまらぬ生きものの
つまらぬ目玉から
あたらしい海がこぼれ
出港しない
船を
揺らした


自由詩 望遠 Copyright つむ 2012-03-19 20:08:56
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