ちろ
ふるる

雑種の黒い犬を飼っていた
足と耳のさきっぽが白い犬
散歩もご飯の世話もブラッシングもわたしがしてた

学校から帰ると
尻尾をふってぴょんぴょん飛びついてきて
ハッハ言いながらどこまでもついてくる
何でもいうことを聞こうとする
いとしくて
憎らしいやつ

手を後ろにしてお菓子を持っているふりをして
投げてやるふりをする
そっちの方へ少し走っていって「ないよ?」みたいな顔ですぐ戻ってくる
それが面白くてかわいくて憎らしくて
何度もやった
何度やってもだまされた
たまに骨付きお肉をあげると
庭に穴を掘って埋めて
忘れる

ばかだ

ちろの顔を両手で挟んで
「なんでそんなにばかなの?」
と真剣に聞いても
茶色い目はきょとーんとしてるだけ

もう
なんでよ?



自由詩 ちろ Copyright ふるる 2012-03-17 14:39:28
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