6歳
はるな



24歳になって、ええと、17日、が経ちました
世界に参加しはじめてからは、ええと6年と5ヶ月目です(いまかぞえた)

わたしのなかに16歳と、7歳と、24歳と、42歳がいます。
女なら、だれだってそうであるようにね。


(かつてわたしはひねくれて、ちいさくて傷だらけで、おまけに16さいだった。でもちゃんと知っていた。せかいがうつくしいことや、それがわたしを拒んでいないことをちゃんと、(知っているだけでなくて)わかっていた。
こうして生きていれば、たいせつな宝物にまた出会えるかもしれない。わたしが21さいのわたしに出会えたように。あたたかい小さな袋がちゃんと用意されてる。せかいは大前提としてうつくしい。
わたしはもう5年もまえからぼんやりとしっていたのだ。ハンマーが落ちてくるなら、それがわたしの真上であるべきことも。)



6年5ヶ月めの絶望は、24年と17日の絶望よりも深いと思うか?
わたしのは、深い。
それは新月の夜に、月光をさがす悲しみ。あるいは、
化粧を落としたピエロ。

いま、おもうことは、
あなたたちに会いたいということです。
そうです。あなたです。
他人事じゃないんだよ。
人生は、他人事じゃ、ないんだよ。

でもじゃあどうしてこんなに隔たっているのだろう?
いったい、いつからこんなにわたしはわたしと隔たってしまったのだろう?


(名前を変えて、場所を変えて、相手を変えた。
 自分が自分でいるためには、身の回りのものを変えていくしかなかった。)


「あいつ、頭、おかしいから。」
「ちがうよ、おかしいふり、してるんだよ。」
「それって、やっぱり、おかしいんじゃん。」
どっちも、同じだと思いました。
狂っているということは、順応しているということだし、逆も然り。
すべての意味は両極を孕んで存在する。ゆるぎない事実ばかりで埋め尽くされる世界は、なんどもかわる。世界は何度も変わる。
せかいはすぐに変わるよ。見せてあげるよ。見においでよ。いっしょにつくろう。

すべてを愛したいです。
なにひとつ愛せないです。愛されたいです。愛されたくないです。もうだれにも会いたくないです。いまおもうことは、あなたたちに、会いたいということです。

(なぜあらゆるものを愛さなければいけないきがしていたんだろう。
そして同時にあらゆるものを愛せないような気もしていた。
いくべきなのだろう。
いつも、ここではないどこかへ行くべきなのだろう。
だからいつだって、「ここではないところ」を目指していなければならない。
そうしなくてはいけないってことは、ほんとうはほとんどないのだけど、
「どこか」を目指していなければ、死ぬことも、できなくなるきがしてる。)



あきらめと、みきわめにより、人生はすこし生きやすくなる。



(のばしたかみの毛を深い赤色に染めて、頬は日焼けしているんだけれど蒼ざめて。
いつか会おうね、きっと会おうね、手を振って、見えなくなって、立ちつくして。
みんないってしまう。
みんな、来て、そして、どこかへいってしまう。)

(髪がのびたね。お互いに少しずつ、そうとはわからない速度でかわっていくね。
愛しい、愛しい、愛しい、愛しい、愛しい、愛しい、愛しい、愛しい、愛しい、愛しい
わかっている。みんな最後にはどこかへいってしまう。
早いか遅いかの違いだけで。
とるにたらない。
ただいま一緒にいて、笑えることを、誇ろう。
誰かに感謝するのも、大事なことだけれど、
そうでなくて、いまここにいて、誰かと笑えるわたしを、わたしは誇ろう。
そうでないと、とてもかなしすぎる。
たくさんのものが愛しくて途方もなく遠くてかなしすぎる。)


わたしは、これからもたくさん、許していけそうです。
森を持って。懐に、深い森を持って。だれにもみせずに、大きくして。
いつか、この世界がぼろぼろになってしまったら、
いれてあげるね。



散文(批評随筆小説等) 6歳 Copyright はるな 2012-03-16 22:25:50
notebook Home 戻る