捨てる
ふるる

お祭りなので
顔を汚くしていた

ドラム缶いっぱい
葛湯を作ってふるまう

青い星だけをつないだ星座を下さった
青いネックレス座だと
いって

作業台の上にはつねに
いっぽんの薔薇が
枯れては新しいいっぽんが枯れては
いつの間に補充され

風が吹いて目を閉じて
開けたらもう
新世界
捨てるより
簡単

辛辣さは痛快

肩を負傷した選手は
負け惜しみなぞ言わないで
負けを
満喫する

「秋風にたなびく雲の絶え間より
もれ出ずる月の影のさやけさ」

まるで一匹の生物だと思わない
日本人はあと千年
この言葉を
捨てるべきじゃない

書けなくて苦しいのなら
書かなくていい

城壁が壊れていく
歳月に犯されて
苔も生えて
雌雄異株異株異株の

一年間一度も手を触れていないものを
いらないものだと思うのだろうか
いる・いらないの間に
無数の手が伸びて
葉が生い茂る
露をのむ
こども

静電気が怖いのは
拒絶されたように感じるから
ものが
こころを
もって



いや?いやなの?


燃えているのは明日への階段
もう明日は来ないと
誰かが火をつけて

ドラム缶一杯の水をぶちまけた

お祭りなので顔を
もらいに行った帰りに
原っぱで捨てたはずの顔が
仰向けで
つぶやく
くちびるの












自由詩 捨てる Copyright ふるる 2012-03-15 22:59:12
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