帰ってほしい女
はだいろ


真夜中に来た女は、
かんぜんパネマジ、
だいたい、
黒髪清楚、なんていうフレーズは、
言い換えれば、
特徴なく低レベル、
ぼくが店員でも、
まあそうするだろう。

でも、そうじゃなく、
その子がどうこうでもなく、
ぼくが眠かったとかでもなく、
なんだかちっとも、
楽しくない。
一時期は、こころの飢えを、
たしかに風俗の女の子が、
強くなぜてくれるような日々もあったのだけど、
何かが変わった。

そんなの当たり前で、
ぼくは結婚したのであり、
守るべきひとは、
もうひとりだけなのである。
だんだん、
かたちがくっつくように、
ぴったりとしてゆくものなのである。

ローターを使って、
イラマチオしてても、
心の中では、
もう帰ってほしかった。
ぼくはもう、
妻以外の女の子のおっぱいを、
おっぱいとは認識しない人間に変わったのだ。
あれはただのふくれた脂肪にすぎない。
妻のおっぱいだけが、
ほんとうのおっぱいだ。










自由詩 帰ってほしい女 Copyright はだいろ 2012-03-14 21:58:21
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