今日の記憶
梅昆布茶

君に捧げた花束が枯れた頃

約束した季節の巡りがやって来る頃

君の筆跡が薄れてくる頃


僕の影ばかりが遠くに伸びて

ぼんやりとした輪郭のままに生きてゆく


もう一度問い直す言葉の端から

ついばんでゆく時間の小鳥


思い出という名の残酷さを

風化させてゆくのもやはり

空や風や光や雲をうごかしている何か


むこうの通りはつむじ風

こちらの通りはにわか雨


飄々とふんわりと懐かしくやさしく

立ち止まって空を見上げて

また歩き出そうか


今日という記憶を忘れないように




自由詩 今日の記憶 Copyright 梅昆布茶 2012-03-14 20:21:58
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