一粒の私
健
一粒の私を
順番に潰していく
一粒の私は
潰れるたびにまた現れる
一粒の私は
いつまでも一粒の私でいるつもりらしい
あの日
真っ逆さまに落ちていく景色の中で
言葉にできぬほど美しいものを見た
そんな気がするのだけれど
+
一粒の昨日が
潰されることもなく
淡々と増え続けている
少し
笑っている
自由詩
一粒の私
Copyright
健
2012-03-14 03:01:23