生存戦略宣言
ブルーベリー


庭にも
屋根にも
雪が残っていて
まだ寒いね

こんな日は
ストーブを点けて
こたつにもぐって
寝転ぶ
平和な日曜にすべきで

テレヴィジョンは
がれきしか映さないので
録りためた番組でも
見ましょうか

(忘れたい/忘れたくない)
(二律背反をまざまざと奴等)

そうして
気付いたら14:46を通り過ぎていて
浅はかな平和に笑う


冷え切った手を温める術を失くす1年前
こんな天気だった

のにね

(「せっかく家も無事だったのにね」)
(「並んでたら)
( ナイフが )

( … )

(「息子もスタンドで働いてるから)
( 他人事じゃなくて)

(「役場行っても 福祉は後回しで だから行ったら)


( ストーブの灯油が空で 

  親も年だし
  
  娘さんも

  心臓が

  悪かった、から


  せっかく家は


  無事だったのにね」)



subject:請求書3/31着でお願いします

「すみません郵便まだ復旧してないんですけど」
「本社3月決算で」

知るか





あれからどんなに大雪が降っても
住宅地名物のスノーマンは姿を見せない
しつこいニュースのリフレイン、信じたふり、しても
外に遊ぶ姿はない

それが、選択


ただ僕らは、生きていたい、だけです

能天気に、生きていたい、だけです。


それでも
ただ、言葉を放つ、

それでも
ただ、言葉を撃つ。


生きるために。
生きるために。

生きていたいと、願うために。



忘れたい/忘れたくない
どう願えばいいのか
忘れられる訳がない
だってまだ終わってないのに!


復興
頑張ろう
背中を押してくる、
避難しろ、
セシウム、
プルトニウム、
…エトセトラ。


[against、peaceful dearest beautiful world!]


戦うと、しようか

生き延びると、しようぜ。


それだって

愛情が生まれたのは、この場所なのだから。



自由詩 生存戦略宣言 Copyright ブルーベリー 2012-03-11 22:23:28
notebook Home