その珈琲豆は挽かないほうがいいです その鉄のにおい そのままでいてとてもわるい この身には どろみず色の牛乳紅茶が 湧きつづけていてとてもわるい ひしめく指と指の間から 点々とにじみ出す 結露した わたしの所有する雨は みちというみちをたどるように 手相に沿って うごきつづける 海への入り口を捜しているのだろう こんなにも泡立ち ひかろうとする 前の春あたりに 溺れた渦のひと巻き 陽だまりを飲み込んで 閉じてしまった台風の目が ひらくとしたらそこです