波紋
理来
数刻のとびらをひらく
しろい手をたどる
まざりあう木々を
まどろみをいくつものかわせみを
はね広げているね
そこに降り立っているね
なみだに生まれてくるこずえを
うりふたつの半身にとどめる
ふかいきせきのとなりにも
ひらくとびらがひらく
まじわるてのひらですくわれて
かみどめにあずけるかさなりに
冷やかに足をひたしてりんと飽和するあなたを
とうとう見つけてふたつかぜ
ざわめいたとおりにひろがるきふくはまなじりに
うつして背後に遠ざけられ
とだえていくつもわれてつたえて
いつしかのまれている
まどろむかわせみ
うらがえす木々のほとり
しろい手をもどり
かすかの耳にとびらをふうじる