波紋
理来

数刻のとびらをひらく
  しろい手をたどる

まざりあう木々を
  まどろみをいくつものかわせみを

はね広げているね
  そこに降り立っているね

なみだに生まれてくるこずえを
  うりふたつの半身にとどめる

ふかいきせきのとなりにも
  ひらくとびらがひらく

まじわるてのひらですくわれて
  かみどめにあずけるかさなりに

冷やかに足をひたしてりんと飽和するあなたを
  とうとう見つけてふたつかぜ

ざわめいたとおりにひろがるきふくはまなじりに
  うつして背後に遠ざけられ

とだえていくつもわれてつたえて
  いつしかのまれている

まどろむかわせみ
  うらがえす木々のほとり

しろい手をもどり
  かすかの耳にとびらをふうじる


自由詩 波紋 Copyright 理来 2012-03-08 00:32:13
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