耳飾り
理来

真白にとかれた耳飾り……
それは冬の名残です
寒い日にはてんてんとあとをつけていくもの
温かくなり、晴れた日には水上から流れくだってくるもの
かつてそうした世界の眼差しを愛していました
愛という言葉を封じてしまう、ずっと以前に

知らぬ間に四季よ、あなたは何度かめぐっていた
ちょうど回転木馬に揺られる誰かと同じように
わたしも年月を重ね、同じ川べりを歩いてもただ通り過ぎるだけとなった

その間にも四季よ、あなたのうたごえはますます強くなった

どうかこれからもそのうたを続けてください
解き放たれた雨となり、暴風となり
厳しくすることを忘れないでください
そうしてまた収まった頃にひっそりと愛してください
わたしは見ています、聞いています
同じ流れに身をゆだねながら予感しています


自由詩 耳飾り Copyright 理来 2012-02-26 20:53:22
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