島嶼
HAL

島がある
蒼い海原に
点々と島がある

島たちは他の島が遠いため
どの島も自分たちを
孤島と思い込んでいる

ほんとうは
島たちは遠い昔
みな同じ陸であったのに

それを忘れ去り
波間に垣間見える
他の島を眺め続ける

いつかあの島に
近づくことは
できないかと思いながら

長い月日のなかで
互いに荒波に浸食され
いつか海に沈んでいくとき

島はやっと気がつく
あの島ともこの島とも
つながっていたんだと

どの島も
孤島では
なかったんだと

そして母なる大地とさえ
つながっていたんだと
ようやくに気がつく


自由詩 島嶼 Copyright HAL 2012-02-25 18:46:41
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