春を待つ
吉岡ペペロ

湿り気のある冷たさ

青灰いろが白んでいる

桜の木々のつらなりが

濡れた茶色で春を待っている


朝にひかりが影のよう

冷感症のおんなの背中には

絶頂のあとの汗が垂れている

眠りで冷えた体から

柔らかくて酸っぱい

ぬくもりみたいな発熱がしている


湿り気のある冷たさ

青灰いろが白んでいる

桜の木々のつらなりが

濡れた茶色で春を待っている






自由詩 春を待つ Copyright 吉岡ペペロ 2012-02-25 08:09:31
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