トーキン
ふるる

困らせたいわけじゃない
だけど困ってしまったらごめんね

トーキン

はる
左の耳から出てきた紙くずが
右の耳へと入っていくような
かさかさしたおわりのなさ

木の間にぶら下がる健康
みずがぽとぽとと落ち続ける
睡蓮て眠いのかしら
睡眠とよくにているけれど
目覚める時にはおおきな音が
するのでしょう

トーキン

なつ
みどりもえるあさひるばん
晩に花が空から落ちてくるでしょう
おおきな音とともに
まるで涅槃
まるで
睡蓮のした

トーキン

あき
はっぱが波打ちながらなだれのように土に還る健康
もうこんな朝数少ないのに
明日には忘れてしまって罪ね
ひめりんごの実が熟してぽとぽと
池に落ちては浮かんで
魚がひれをうごかす誠実
みのり
みのむしがよちよち横に移動する静けさをあいしている

トーキン

ふゆ
床に座っているといつまでもさむい
雪や風が容赦ないの
お湯に足をひたして霜焼けをふせぐ
あたたかさにむせかえる
ゆるして
なつの虫たちを
しんでいない虫はたくさんいるのはっぱの裏側に
てんとうむし
みのむし
あとしらないむし

睡蓮ははっぱだけが浮かんでいるの
しんでいないわ
かさかさしたおわりのなさ


トーキン
だけど困ってしまったらごめんね











自由詩 トーキン Copyright ふるる 2012-02-23 20:10:54
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