静物園
ブルーベリー

檻の向こう
キリンが草を食んでる
睫毛は揺れず
咀嚼の震えもない
食んでいる一瞬の向こう
悲しげな目が合う
指先が悴むのは
怯えの躊躇
爪先をなぞって
伸ばした指先が
ぴたりと光沢紙の感触を得る

モノクロームの檻

冷たい光沢紙は
悴んだ指先を宥める事無く
爪跡だけ撓ませ
雑踏に沈んでは
誰かの悲しげな目が






(即興ゴルコンダ投稿作)


自由詩 静物園 Copyright ブルーベリー 2012-02-22 22:58:03
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