氷上の舞い
ブルーベリー


新人の台頭にカメラマンはシャッターをきりきり舞いさせ
華麗なジャンプはエッジを立てきりきりと氷を削った
綺麗な放物線を描いて舞った氷は
スケート靴すぐ傍ぎりぎりに
命がけ(とプレーヤー達は語る)でリンクへ寝そべるプレーヤーの顔面に僅かに落ち
残り粗方の氷はプレーヤーが手で押さえる美しい細工のされたガラスの器へと
こんもりと盛られる、
いただきます、
起き上がるや否やプレーヤーは出来上がった芸術作品とも呼べるかき氷を喰らい出した、
苺のシロップの代わりにスケーターの血涙がかけられて格別の味になる、
氷上の舞いがスケーターとプレーヤーの二人三脚となって久しく
もはや舞いは添え物のごとくであり
今やエクストリームスポーツの一種になったそれは
薄氷を踏むように極一部wで
ひっそりとぎりぎりにつづいている
(もう誰も伊藤みどりを知らない)



(即興ゴルコンダ投稿作、2012年1月)


自由詩 氷上の舞い Copyright ブルーベリー 2012-02-20 19:06:06
notebook Home