時計のない国で
そらの珊瑚

時計のない国で
のんびりと暮らしています
時計はなくとも
時間はあるわけで
朝、昼、夜と
まこと
大雑把な時間の感覚ではありますけれど

いちまばたきが 
      およそ一秒
紅茶をひとりぶん出来上がるまでが 
         およそ五分
眠りにつくまでの読書時間が 
          およそ一時間
ほんとの眠りにつくまでが 
           全部の持ち時間

時間は増えているようでも
ほんとのところは 減っています

誰かと待ち合わせすることもありません
またいつか会いましょう
それがいつでもいいことなのです

時計のない国はとても静かです


自由詩 時計のない国で Copyright そらの珊瑚 2012-02-20 12:01:10
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