俳句・習作 1
壮佑


 頭痛


倦怠が成層圏から降ってきた


うっすらと頭痛呑み込むパスタかな


氷床の軋む音する頭痛かな


頭痛飛び地球を巡り海に墜つ


 雨


生まれ落ちて何回目の雨の日か


雨音のなか遠ざかる人も無し


誰の忌か雨の浜辺に閉じる貝


雨だれが月の巌に響いてる


雨だれは生まれてポタリすぐに死ぬ


雨だれとじゃれるピエロのオルゴール


雨だれと振り子時計とピエロの子


雨の日や海底を這うクラーケン


雨の日に蠅がぶつかる潜望鏡


雷雲や巨大な足が都市を踏む


雨上がり海星は月に弓を引く


梨食えばからだの中を雨が降る


 ポラリス


君の香に渦巻きほどく銀河かな


北斗七星の右心室で鳴る古弦琴


シリウスの左心室で打つDTM


行く春やポラリス型原潜浮上せり


くすのきの梢に架かるポラリスよ


頭蓋に棲むポラリスは夜空にも


ポラリスの黒きノイズを捕獲せり


ポラリスや女は山で身籠りぬ








俳句 俳句・習作 1 Copyright 壮佑 2012-02-19 00:01:52
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