淋しいお嬢さん
HAL

訪れるひともないわよ
迎えてくれるひともないわよ
まるで淋しいお嬢さんのようだと歌うひともいるわ

もちろん路地で生きていく方法なんて
大嫌いな寄宿舎生活の学校で
教えてくれなかったわ

でもわたしは知っているの
どうしたら路地で生きていけるかを

もちろん蔑まれるし
汚い言葉で罵られることもあるけど
そんなことには馴れるものよ

でもね
路地で暮らし始めて
初めて気がついたの

綺麗な洋服を着て
自分のために開かれた高級車のドアから降りてくる
ひとだって同じだと

ただ気がついているか気がついていないかの違いよ
そんなひとたちも
孤独感に蝕まれていることをね

そんなひとたちは愛という言葉に擦り替えて
夫と呼ぶ男にからだを提供するのよ

そんなひととわたしはどこが違うの
少なくてもわたしの方が正直だと想っているけど

いまわたしを値踏みしている下劣なひと
あなたはそう想うわたしを間違ってると言うのかしら

先に言っておくけど
わたしはあなたが思っている以上に遥かに高いわよ



(Special Thanks To Mr. B D)



自由詩 淋しいお嬢さん Copyright HAL 2012-02-17 09:15:45
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