にぎりっぺ
灰泥軽茶

ぺろりと舌を出した腕白小僧が

ぺっぺっぺっとにぎり
鳴らすよぺっぺっぺっと

ぺっは歯切れよく
ぺっは小刻みに
ぺっは握りこぶしから
踊りだし逃げていく

何匹ものの
ぺっは芋虫みたいにくねくね
そこらじゅうは這いまわり
くたっと寝ころび
もこもこ伸びて苔生える

さらに何匹ものの
ぺっはバッタのように
ぴょんぴょん跳ねて
嬉しく勢いあまって
お互い絡まり重なりあい
音符になって
カリブの陽気な音楽を奏でる

そうして最後のぺったちは
同じところを
ぐるぐるまわるのに熱中し
面白くて面白くてたまらなく
ぐるぐるまわりすぎて
火照って火照って

ぷっぷっぷっ

になって
腕白小僧の笑い声とともに
消えていく



 


自由詩 にぎりっぺ Copyright 灰泥軽茶 2012-02-17 03:13:39
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