雪ぐ
subaru★

けがれにそそ
とがそそ

けがれは溶けて
とがは溶けて
あかは溶けて
一緒に溶けて

愛を注ぐ
その行き先は
終着を教えない案内放送

情熱を注ぐ
受け取らない者は
途中下車を知らない一見客

『罪』と記していた中吊りは
ひどく焦がれて
ただ黒いとだけしか書かれてなかった

逃げるのは一夜漬けの情熱
限りある熱さは
放っておいても勝手に冷める
どうしようもないもの

雪で割ったけがれを
人差し指で掻き混ぜれば
灰汁のない純な結晶の再生が始まり

雪で割ったとが
掌ですくってみれば
混じりけのない遺伝子に戻る

今日も この街に雪ぐ
今日も この街を雪ぐ
焦がれる者に注ぐ


自由詩 雪ぐ Copyright subaru★ 2012-02-16 06:30:40
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