雪ぐ
subaru★
汚れに雪ぐ
咎に雪ぐ
汚れは溶けて
咎は溶けて
垢は溶けて
一緒に溶けて
愛を注ぐ
その行き先は
終着を教えない案内放送
情熱を注ぐ
受け取らない者は
途中下車を知らない一見客
『罪』と記していた中吊りは
ひどく焦がれて
ただ黒いとだけしか書かれてなかった
逃げるのは一夜漬けの情熱
限りある熱さは
放っておいても勝手に冷める
どうしようもないもの
雪で割った汚れを
人差し指で掻き混ぜれば
灰汁のない純な結晶の再生が始まり
雪で割った咎を
掌で掬ってみれば
混じりけのない遺伝子に戻る
今日も この街に雪ぐ
今日も この街を雪ぐ
焦がれる者に注ぐ