いつか見えていたはずのなにかを失って
euyih

いつか見えていたはずのなにかを見失って

何者でもない私は
何者にもなろうとしない


乾いた空のカップと
虚無を食らい続ける秒針が

私を生きることにあきらめた私に

無限に重なる無味な瞬間を

並べてみせる


溶けたチョコレートと
眼の奥で響く痛みが

それらをおおい隠してくれる


私の見失ったものが
過去か あるいは未来から
私を見つめている

私はそれを感じても
ただ身を固くするばかりで

この足を
どこに向けたらよいのかも
一向にわからないままだ


2011 1203


自由詩 いつか見えていたはずのなにかを失って Copyright euyih 2012-02-15 18:27:05
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