vague
アルビノ





         目を閉じると遠い
         なにもかも



         くるまの行き交う音が波音のようで
         ぼくをここからひきはなす
         夜のうみに意識をとばす

         だれかといたきおくが
         ぼくの脳みそをくすぐって
         甘い匂いを蒸し返す


         肝心なところで途切れるきおくは
         やはり、曖昧で
         あなたを描き出す線は
         あまりに単調だ



         あのうみに託したおもいを
         すべて置き去りに
         やがて波がさらうように
         波打ちぎわにおいていく 
         そのまま溺れてしまえばいい




         きおくの淡色にみずを湿らす

         滲んでゆく色彩は
         じかんの流れがうみだす
         曖昧さ







自由詩 vague Copyright アルビノ 2004-11-30 18:15:49
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