決意する日
永乃ゆち

思いが成さないのには
何か意味があるんだろうか。

あなたに会えなくて
あなたの夢を見て
泣きながら目覚めた夜にも
何か意味があるんだろうか。

あなたに愛されないままに
生きて行くことに
どんな立派な意味があるんだろうか。



そんなもの。
ありはしない。

事象だけが総てで
行き場のない悲しみや苦しさを
ほんの少し緩和させ
わずかばかりのプライドを満たす為の
言い訳にすぎない。

それでも意味を探そうとするのは
何の後ろ楯もなく
希望もなく独りよがりに
生きて行くのには
あまりに私は弱いからだ。

あなたは私を拒絶することも
受け入れることもしない。

ただどんな気持ちも
大切にしてほしいと言う。

何て無責任で
何て模範的。

世の中に意味のあることなど
本当はないのかもしれない。

弱者が造り出した
幻想にすぎないのかもしれない。

そうだとして
私は愛することを辞められるだろうか。

そんな事
分かりきってる。

結局私は
たった一人でも
何の後ろ楯もなくても
愛することに意味を見出せなくとも。

今日も
あなたを愛するんだ。
明日も変わらず
愛するんだ。

一歩も二歩も先を行く
到底追い付けないあなたを。

泣きながら声をあげて
髪を乱し走り続けて。

壊れそうな希望の中で。

意味なんて要らないと
強く決意する日まで。


自由詩 決意する日 Copyright 永乃ゆち 2012-02-13 00:02:04
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