私の一週間
永乃ゆち
月曜日
私は歩けるようになった
姿勢が良いかどうかは
分からない
火曜日
私は走れるようになった
速いかどうかは
分からない
水曜日
私はジャンプできるようになった
高いかどうかは
分からない
木曜日
私は宙返りできるように なった
綺麗かどうかは
分からない
そうして週も半ばを過ぎて
私はいろいろな事ができるようになっていた
けれどそれだけでは
生きて行くのにはまだまだ足りなかった
来るべき日は金曜日だった
金曜日
私はついにあなたと出逢った!
その意味など分からずに
これが何を意味するかなど
本当はどうでもよい事なのかもしれない
ただ、出逢った
それだけが総てだった
次いで土曜日
私は笑顔と泣き顔を覚えた
嬉しく思う事
悩んで哀しむ事
それは紛れもなく
恋だった
私が今までに習得した事は
総て恋する為の準備運動だったのだ
最終段階の日曜日
私は打ち明けるだろう
あなたが好きだと
私の恋は何を持ってしても留まらない
永遠に続くお伽噺
語り継がれる伝説
あなたを思う限り
私の中に生き続け
枯れ果てようとも
実をむすぼうとも
祝福されるべきは
この一途で真剣な
真実の恋心だけだ
そして二度目の月曜日が来る
私はあなたの
隣に居るだろうか