存在の永遠
吉岡ペペロ



今夜を歩くひとはみな

まあるい月を見ているのだろうか

月のまわりには黄がにじんでいる

そこを小さな点滅が過ぎてゆく

何十年もまえに始まったことを

証明するかのようなまあるい月

ぼくらにはもう見えない光を浴びて

この街に天体を住まわせてくれている

そしてこの街も天体のひとつの相なのだ

繰り返されるからくり

何十年もまえに始まったことが

ぼくらのすぐそばで

存在の永遠をものまねしている

今夜を歩くひとはみな

それをどこかで感じているのだろうか


携帯写真+詩 存在の永遠 Copyright 吉岡ペペロ 2012-02-08 22:21:01
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