ノエル
ふるる

部屋にあった服のいくつかは      
わたしに合わないものでした

一番うえの兄のことを
二番目の兄が幾度も   
同じように語るのを
わたしたちは
雪の音をききながら
気にしました

弟と妹は手と手を重ね合わせ   
指の長さを比べました
どちらが長かったのか
今はもうわかりません 

食べ物のことを誰も気にしませんでした
食べ物は口をあければ自然と
入ってくるものだったのでしょう 

ハーモニカの音がだんだん聞こえなくなり

ました   

ペットのインコを誰が食べるのか
みんなで分けるのか  
話し合いがもたれる時間です

誰かが泣けば
胸や背中が貸されました

誰かが死ねば  
胸が潰れました





自由詩 ノエル Copyright ふるる 2012-02-08 21:11:41
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