オーバードライブ
梅昆布茶

ぼくたちのチューブウェイは幻想の未来をつらぬく迷路なのだね

ぼくのすべての細胞が未来を志向しているわけではないのだよ

多くは懐古趣味でとてもノスタルジック


彼女はじぶんのいたみを正当化するために時間のすべてを費やす

考えてご覧よ他人の視線と微笑みから彼女がなにを知るのか

誰もがこころのなかに苦い論理をもっている


彼らは言う

母親は彼女を愛さなかった

父親は彼女に触れなかった

それが彼女が人間愛をさける理由


でも彼女は人知れぬ自分の場所で宇宙への荷物をつめる

そして正当なパイロットがくるのを待ちながらね

彼女は彼に言うだろう


もしあなたがわたしの彼になってくれるなら月まで飛んでそして帰りたいの

わたしの彼になってくれるのなら

私たちの属する世界への切符を手に入れたらね

だからわたしの彼になってくれる?


彼女はじぶんを必要としてくれるじかんを思い出せなかった

もし愛が彼女をみちびいて彼女が色盲でなかったら


友達たちは彼女の不信をぬぐおうとした

愛は不毛な場所よと言い切る

彼女の定義の罪をね


地図のないまま彼女が人間の顔をとりもどすようにね


でも彼女は跳んでしまった

オーバードライブに入ったまま首を吊ってね


すべての星ぼしと希望に信号を送りながら

なんて素敵な夢だろうね


もしあなたが私の彼になってくれるなら

月に帰りたいの


わたしが属する世界への切符を手に入れたらね


だからわたしのかれになってくれる?





自由詩 オーバードライブ Copyright 梅昆布茶 2012-02-08 07:45:09
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