お嬢様育ち
たにい

夜中に目が覚めて散歩に行った
黒の画用紙に太めの半月が貼ってある
彼女はふっくらした横顔を向けてこう言った

忘れちゃだめよ あの娘はお嬢様育ちだということを
そうだった 彼女は両親からたっぷり愛情を注がれて育ったお嬢様なんだ
我儘で不器用だからこそ愛したんじゃなかったか
僕は彼女の両親の愛のおこぼれを味わってるだけなんだということを
ありがとうお月様
ウインクして家に帰った

猫が待っていた
上目遣いに僕を見て鳴いた
お腹空いた 餌くれよ!


自由詩 お嬢様育ち Copyright たにい 2012-02-05 07:09:51
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