あなたのいない風景
梅昆布茶

無くした愛をいくつかぞえただろう

面影をいくつわすれただろう

歳をいくつかさねただろう


こころのなかでなんにんころしただろう

僕はいつか独房のなかでしぬのだろうか


雪はしんしんとふりつづけいつやむともしれないしろい闇

足跡をけしてしまう酷さはそらからおちてくるし

僕の羅針盤はきっとあなたをさしているのだね


あなたを消してしまうのがこわいのだ

ぼくはたぶん空っぽになってしまうのだよ


孤独がお似合いだっていわないでほしいのだ

所属する孤独だってあるのだし


地球がまわっているかぎり

誰かをこいしてるかぎりぼくはたぶん存在するのだね


君のかみのにおいがすきだ

君のしぐさがすきだ

僕の時間はどんどんすりへってゆく


公園のベンチにすわっているばあいではないのだよ

だって公園にきみはいない

はとだっていない


アクアラングをつけて日本海溝にしずんでゆこうかマリンスノーのように

ひょっとして君は人魚になったのかもしれないのだね


君のなまえはマリー

風のおかでうたっているのは

君なのかもしれない







自由詩 あなたのいない風景 Copyright 梅昆布茶 2012-02-05 00:16:55
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