あなたのいない風景
梅昆布茶
無くした愛をいくつかぞえただろう
面影をいくつわすれただろう
歳をいくつかさねただろう
こころのなかでなんにんころしただろう
僕はいつか独房のなかでしぬのだろうか
雪はしんしんとふりつづけいつやむともしれないしろい闇
足跡をけしてしまう酷さはそらからおちてくるし
僕の羅針盤はきっとあなたをさしているのだね
あなたを消してしまうのがこわいのだ
ぼくはたぶん空っぽになってしまうのだよ
孤独がお似合いだっていわないでほしいのだ
所属する孤独だってあるのだし
地球がまわっているかぎり
誰かをこいしてるかぎりぼくはたぶん存在するのだね
君のかみのにおいがすきだ
君のしぐさがすきだ
僕の時間はどんどんすりへってゆく
公園のベンチにすわっているばあいではないのだよ
だって公園にきみはいない
はとだっていない
アクアラングをつけて日本海溝にしずんでゆこうかマリンスノーのように
ひょっとして君は人魚になったのかもしれないのだね
君のなまえはマリー
風のおかでうたっているのは
君なのかもしれない