川と少女と道化師
梅昆布茶

かつて美しく華やかだった日々をおきざりにして

その骸は橋の下を流れてゆく

橋上ではジプシーが遥かな遠い時間を踊る


もう家には帰れない魂は冷たい炎となってオーロラになるのだね

道化師は子供たちがてを振りながら遠ざかってゆくとき泣いた

すべての夢は死ななければならないのだね

すべての愛は


ミラボー橋のしたセーヌは流れると歌ったのは誰なのでしょう

霧がかかって冷たい水の中で少女は何を想うのでしょう


かつて恋人と踊ったダンスを

紅茶にひたしたマドレーヌ菓子を

そしてすべての失われた時を

秘密の花園で過ごした時間を


そして自分をころした恋人を今でも想っているのでしょうか





自由詩 川と少女と道化師 Copyright 梅昆布茶 2012-02-04 22:13:57
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