ひかりと歌とふたごの虹
たちばなまこと
強く高みを掴んだ
脚に力を射して
秒速の息づかいを届けた
筋肉の震え
ハチドリの余韻
ふたごの虹
高音域を続けたのち
からだをつらぬく絹糸
歌はすべて感情から生まれ
歌はすべてあなたのなかに生まれ
歌うことをやめない鳥の
鳥かごを溶かす
生きるために必要な人よ
高い声は重低音を宿し
つよいひかりと深い闇の同棲
昇る道筋に滲む水彩画
永い思い出を捧げるように
話をさせてくれないか
バスを降りた子どもたちが
横断歩道に駆け出してゆく
いつかは
生きることを歌い
生きることを繋げ
生きるために血をまじわらせる
ひかりを灯し闇を抱き
ふたごの虹をみつける
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