カンボジア旅行記7
チカモチ

アンコールワットとアンコールトムに行ってきました。最初に訪れたときと違い、今回は落ち着いて時間をかけて、ガイドブックを熟読しながら進んだので、味わい方がだいぶ違っていたように思います。とにかく時間つぶしのために行ったようなものだったので、なるべく時間をかけて鑑賞しようと心がけました。

アンコールワットには今日もたくさんの観光客がにぎわい、様々なガイドが解説をしていましたが、よくよく観察していると国籍によってガイドが力を入れているところが異なるように感じました。たとえば西洋人相手のガイドは回廊の壁画について熱心に解説していますが、日本人相手のガイドは壁画はわりと簡単に済ませ、目につきやすいタワーやそこからの景色を推奨しているように見受けられました。たまたまそうだっただけかもしれないけれど、宗教観の違いからくるものなのかもしれません。実際、私はガイドブックをかなり丁寧に読みながら壁画を追ってみましたが、ナーガとの戦争やら天国と地獄やらをみても、すべてふざけた落書きにしか思えませんでした。単に自分の感性に大きな問題があるだけなのかもしれませんが、日本人は自分と同じように即物的な人間が多いのかもしれません。

そんな感じで理解できない部分も多々ありましたが、アンコールワットとアンコールトムを改めてゆっくりみたことで、ようやくこれらの遺跡が少しだけ自分のものになったような気がします。だいたい私は何事においても物事を飲み込むことに人よりも時間がかかる性質で、こういう落とし込みをピンポイントでできるのも個人旅行の醍醐味だなぁと思い、それができたことを心から嬉しく思いました。

今日一日お世話になったドライバーは中川家礼二に顔が似ていて、クールでシステマティックで頭がよさそうでした。明日以降の予定を尋ねたり、マッサージ屋を紹介したり、あの手この手で商談につながる話をもっていこうとしてきましたがすべて断り、年齢を尋ねると28歳とのことでした。ふむふむ。
私は彼のことがとても気に入ったので、彼が今回の旅行の専属ドライバーならよかったのになぁととても残念に思いました。繰り返しになりますが、国籍を超えて相性というのは存在するようです。

17時くらいにゲストハウスに戻りましたが、空港へ行くのは21時だったので、それまでの4時間ずっと、ゲストハウスのフリースペースで横になりながら本を読んでいました。一人でいくらでも時間をつぶせるのは数少ない私の特技のひとつであり、こういうところで役にたつものだなぁと誇らしく思いました。小さなことですが。

アンコールワットも堪能したし、そのほかの遺跡もたくさんみたし、湖にも行ったし、本もたくさん読めた。現地の人ともそれなりに触れ合った。太陽の光をめいっぱい浴びて、心の底からリフレッシュできた。もう思い残すことはありません。贅沢な時間つぶしができた、最高の休暇でした。
旅行は本当にいいですね。今年も頑張ろうと思いました。


散文(批評随筆小説等) カンボジア旅行記7 Copyright チカモチ 2012-01-31 22:11:08
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