雨のあとの空
梅昆布茶
この半島には古い鉄路が通じていて機関車がときどき通る
小さなまちの路地裏には野菜くずや魚の腐った臭いが充満して
それが僕をつくっているのかもしれない
答えのない恋人に愛を告げるように
哀しくせつなく世界はあるのだな
雨のあとの空のようにぬけるように広がり続けるのだね心って
僕のなかで眠っているものは何処への郷愁なのだろう
生き延びるだけの日々なら要らないさ僕は別もんだね
大きな鳥が爆弾をかかえて空をよこぎってゆく
僕は空き缶を蹴り飛ばし君の暖かさをなぞる
宇宙には君と僕しかいないはずなのにどうしてあえないの
オトシブミっていう昆虫がいるの
葉っぱを巻いて綺麗な円筒形の手紙をつくるんだってさ
僕の言葉はオトシブミ
都の大路に讒言を落としてゆく
そして雨の後の空に小さな虹をかけるんだろうな
君の溜息のようなね