たいおん
森未

聞こえるのは
屋根から滑り落ちる小さななだれの音だけ

加湿器からもくもく白い蒸気が上がって
湿った空気がじゅうまんする

だるいからだとひどい頭痛
おでこだけがひやりとして
細胞がたたかっているのだ
とぼんやりかんがえる

わたしは戦ってはいないのに
どうしてわたしのからだは戦うのだろう
こんなにつらいのいやなの
目をつむるから
ついでにずうっと眠らせてよ
ああ
許してくれないわたしのからだ

わかっているの
それでもおなかはすくし
母のつくってくれるおかゆを食べたいと思う
冷たい水がのどをとおるとわたしのすべてに
しみわたっていくようです

こんなにしてまで
生きたい生きたいと
さけぶわたしのからだ
かんねんして
お薬をのむ
明日は少し元気かもしれない


自由詩 たいおん Copyright 森未 2012-01-28 18:09:00
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