冬将軍
千波 一也
すれ違う言葉に
疲れてしまうことが
疲れ、の原因
ひとの心を気遣うはずが
我が身がもっとも大切だから
我が身のつぎに
うまく他人を愛せないか、と
右往左往で今日が行く
冬将軍は厳しくて
疲れたわたしを
心底冷やす
だけど、ね
もれなくわたしを
忘れずわたしを
冷ますなら
ある意味、紳士じゃないかしら
必要のない春はない
必要のない秋もない
ならば冬とて同じこと
寒さにうらみを言いながら
寒さに弱音を吐きながら
わたしを見捨てぬ将軍さまに
感謝をするのも
悪くない
自由詩
冬将軍
Copyright
千波 一也
2012-01-28 16:54:19
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