後退する幾人かの天使。
　　　　　　　（天使とはそこで愛を伝えうるもの。）

天使は光の環をもつ。それは決して比喩ではない。
もちろん暗喩でもなければ直喩でもない。
ましてや換喩なんてものでは。

交替する幾人かの天使。

天使はやわらかな翼をもつ。真白というにはあまりにやわらかだ。
黒羽などというほどやさしくもない。
かれらは環を描いてぐるぐると回る。
かれらはひとすじの希望を見出す。
それは朝と名付けられる。

解体する幾人かの天使。

天使は軽やかな声をもつ。その声で楽しげに歌を歌う。
かれらは博愛主義者だ。わたしと同じ。
かれらはそれを名誉に思う。わたしと同じ。
かれらはその声でその場所に終わりと始まりを教える。
わたしと同じ。

展翅、博愛するわたしたちの世界。

天使はやわらかな翼をもつ。
わたしたちと同じ、やわらかな翼、
かれらはそれを美しいといった、
かれらはそれを美しいといった。