結婚していいことは
はだいろ


区役所に、
婚姻届は出したけれど、
まだ一緒には住んでいない。
週末、
新宿へ、家具を見に行ったり、
赤ちゃんの名前を考えたり、
していても、
どうにも、
こうにも、
当たり前なのか、
ぴったりこないところを、
いくつも見つけて、
内心いらいらしたりもするが、
これが、
ぼくの十字キーを握ったゲームだと思えば、
カートをカーブで崖から落っことさないように、
スピードを上げたり、
緩めたり、
これから、
ずっと、というか当分は、
やってゆくのだろう。


結婚していいことといえば、
たとえば、
すごい美少女と知り合ったとする。
しかも、すごく性格もよくて、
頭もよくて、
笑顔が可愛い。
できれば、付き合いたいと願って、
こころが苦しく、
自分の情けなさを振り返り、
身を切られるような思いを、
たとえば、しようとしても、
途端に、一瞬で、
あ、
おれ、結婚してたんだっけ、
と、割り切れるところ。
結婚は、
縁とあきらめだって、
むかし、
先輩に教えてもらったけれど、
ほんとうにそのとおり。
ただ、
あきらめは、
そんなふうに、
前向きに作用したりもする。


ひとりでいるほうが楽しいけれど、
結婚したほうが面白いよ。




自由詩 結婚していいことは Copyright はだいろ 2012-01-23 22:23:59
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