末路
永乃ゆち

地球のマグマと深海に眠る鯨の死骸。
誰も悪くない。けれど誰もが嘘つき。

地表の大気と地を這う生き物。
誰も愛せない。けれど誰かに愛されたい。

終わらせてしまえば何もかもが単純で。
優しい人たちはただ涙を流すだけ。

1%の未練があるのならそれで
生きていけると信じてた頃。

朱いキャンディー真緑のブーツ黒い雨。
真っ青な。真っ青な空。

不変のものなどありはしない。

マグマ溢れ北極を目指す。
海の反乱地上を満たす。

現代のノア達は頭を抱えて絶望の淵に居る。

けれど1%の未来を信じる力は絶え間なく流れ。
優しい人たちの涙と共に地球を潤す時が来る。

末路は決して悲しみばかりではない事を。
強く強く祈る。


自由詩 末路 Copyright 永乃ゆち 2012-01-22 19:00:59
notebook Home