雲間の窓
服部 剛
お年寄りが耳から外した
補聴器の電池が外れて
キーと、鳴っている
僕自身の内にある
電池も少し、外れているので
脳の何処かが
キーと、鳴り
雲に覆われた空から
(天の声)が聴こえない
だから僕は今日も職場で
誰かと争いそうになったのだ。
自らを小さく卑下してしまうのだ。
この胸の内にある
小さい太陽電池の丸みを
所定の位置にぐいと押しこみ
(もう一つの眼)を開く時
争いそうな人のこころに
縮まりそうな僕のこころに
雲間の窓が、開かれる
自由詩
雲間の窓
Copyright
服部 剛
2012-01-19 00:29:32
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