理来






    とても緩やかな速度だった
    晴れた日の湖を思い出せるほど
    まぶたに溢れていた
    そこから声を投ずることもできないほど
    咽は休息していた
    背をどこへ向けようとも
    視界は空でいっぱいに満たされ
    早く行こうとも
    それに追いつく足はなかった


        与えられたものを受け取ります
        昨日見たこの夢も
        ひとときのわたしです
        少しずつかえそうと思います
        ふとんを片付けてから
        出掛けようと思います


        明日も同じ気持ちでいられるでしょうか
        明後日もよどみなくいられるでしょうか


      差し込んでくる斑点は
      ぽつりぽつりと浮き上がります
      沿線の道が見たくなって障子を開けると
      冷え込む冬の朝でした









自由詩Copyright 理来 2012-01-18 22:22:21
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