キレイダナ
綺麗なものを
僕の眼も見る

このマチガイを、この
すべての僕等の間違いを
ほんとうの物にする

ホントウに綺麗なものが
僕の眼の裡に映る、もう
間違いもかまわぬ

ヒトの綺麗とみなす
認知の力をうたがう、そして
そう発語するコトバの力を──

　　＊

キレイダナ
といって僕の眼が綺麗なものを
見られるとは思われぬ

僕の道化の眼に
映る物、本当のところ
マチガイと理解っている

キレイダナ
今それだけが
発露してくる音のすべて

世の中間違っている
しかも、実は
僕の感覚器を通して──

　　＊

見ることの透明性、そしてこの
眼という透明な
フィルター

この現実が、ここに
あるはずのゲンジツが
眼を通して遠くなる

愛すべき間違いたちも
もはや
キチガイあつかい

キレイダナ
僕の眼もようやく
キチガイらしく華を見る時──