ぶつぶつ言う
はるな


左うでをかばって働くから右うでのほうが汚れていたいつも

「どっちみちかなしいよ」
どっちみちかなしいのだ

泣くほうも泣かされるほうも

でもどこかでだれかが
重さをはかって得をする
ぜんぜんべつの場所から
こちらをみて
重さをはかって、
数をかぞえて

どっちみちかなしいのだ
汚れた右うでも
うごかない左うでも
どちらも同じようにみじめでかなしい

いいよ
べつに
笑ったって
喜べばいいよ

でも必死にここまで泳いだ
ここまで泳いだわたしを
この生ぬるさまで泳いだわたしを
馬鹿にするなら殺す
かなしみを馬鹿にするなよ
かなしみを
それでもしがみつくことを
馬鹿にするなよ



自由詩 ぶつぶつ言う Copyright はるな 2012-01-16 02:09:35
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