愛撫
いとう




背中から腕を回しゆっくり胸を揉む
密着して首筋を軽く噛む
指先で乳首の突端を彷徨い
舌先で耳の裏をなぞる
足首を絡め少しずつ広げる
よく見えるようにする
見せる
うつ伏せにして背中を
触れるか触れないか
位置は曖昧に固定して
速度には緩急をつけ
中心に沿って上から下へ
尾骨のあたりまで それから
下か上へ
撫で上げる 繰り返す
中心から外れ
両脇を腰骨のあたりまで
繰り返しながら逆の流れで中心に沿って
舌を這わす
臀部を掴んで広げる
舐める
振りをして耳の付け根から首筋
肩に沿って舐める
ゆっくりと舐めてみる
指先も舐める
中指を根元まで咥え
唇で包み込むように上下させる
足の指を舐めることもある
仰向けにしたら
片手で耳や胸を撫で
(キスもするがキスの仕方だけで一篇の詩が書けるので割愛)
あるいは口に指を挿入し舌と歯の裏を掻き回しながら
別の片手の中指を
付け根にあてがうように
濡れているのを確かめる
人差し指と薬指で陰唇を広げ
中指をよく湿らせてから陰核に向かって撫で上げる
敏感な場所なので強く触れてはいけない
圧迫感を与えず円状に撫でる
もう一方の手の指で下から上へ
ゆっくり皮を剥きながら
陰核を直接
円状に撫でる スピードを上げる また
人体構造上左右の刺激による自慰は難しいので
指を左右に振動させる動きも含める
(自慰では得られない刺激を与える)
乾いてきたら膣から中指ですくって
きちんと濡らす
乾いたままでは痛い
舌先で舐めるのもいい
動きは指と同じように
膣内
指は1本入れるだけでいい
多く入れれば良いというものではない
膣内上部
ちょうど膀胱の裏あたり
いわゆるGスポット
ポイントはそこにあって
こするのではなく
押し当てて揺らすように
ここまですると
むなしくなって
あなたではなく
愛を
撫でてみたくなる
すべてを止めて
耳元で
ごめんなさいと
何もかも終わらせてみたくなる





初出:「めろめろ」(http://poenique.jp/mero/



未詩・独白 愛撫 Copyright いとう 2003-10-20 22:23:55
notebook Home