誕生日の夜に
石田とわ




                誕生日の夜、いなくなりたいと言った
                それは嘘だと知っている
                
                本当はケーキに蝋燭をたててもらい
                此処にいていいのだと安堵したいのだ

                生きていていいのだと
                だれかに肩を叩いてほしいのだ
                
                ならば言おう
                きみがいないと困るのだ
                生きていけぬほどに困るのだ
                
                きみが生まれたこの日が
                365日の中で一番好きだと  
                それが嘘いつわりのない事実だと
                知っているだろうか
 
                いなくなりたいと
                死んでしまいたいなどと
                どうか言わないでくれ

                此処には何もないけれど
                心からの祝福をきみに贈ろう


                誕生日おめでとう










自由詩 誕生日の夜に Copyright 石田とわ 2012-01-16 00:44:03
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