古骨情歌
そらの珊瑚

  古骨をそっとかしげる わっちの手
  包むは惚れたお方の手
  初雪でありんす、あたたかい

  北風を待つ渡り鳥
  いつか別れの袖ふるを知り
  もちぃっと一緒にいておくんなまし

  微酔ほろよいて 髪を飾るは
  嗚呼、二つ櫛 梅見月むめみつき

  野ざらしに 成り果ててのち
  逢いにゆく
  骨を鳴らして逢いにゆく  




        ※古骨    古びた傘のこと 
        ※二つ櫛   まげの前に二枚一対の櫛をさすこと
               江戸時代に遊女の間で流行ったスタイル
        ※梅見月むめみつき   二月の別称
        ※野ざらし  白骨化した人間の骨 、
               もしくはしゃれこうべ


自由詩 古骨情歌 Copyright そらの珊瑚 2012-01-14 14:39:15
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